医療・介護相談

病気になってからでは遅い!

現代は遺伝子検査で胎児の病気や癌体質とか色々なことが判明する時代となり、産むべきか?産まざるべきか?ますます決断することに困難が伴うようになっている。冷凍精子で代理母に産ませることも可能な時代、それどころかクローン人間の誕生すら出来るかもしれない恐ろしい時代がやってきて、私たちは色々な情報に翻弄され悩みが増えてもいるのである。
又超高齢化社会を迎え、身体や精神の故障を抱えたまま、生きざるを得ない状況に置かれている。人は必ず死ぬ。その場所は?終の住処を住み慣れた自宅にするのか?病院か?それとも施設か?家族に迷惑をかけないよう、自分の意志(最後をどう過ごしたいのか?残された財産の処理等)をはっきりとさせておく必要がある。
現代の情報化社会ではセカンド・オピニオンの意見で反対の事を言われたり、インターネットの情報に惑わされたり、決断することが本当に難しくなっている。
然し、私たちは医者の技術・経験・人柄を見て、看護師の意見も聞き、そして同病の患者の意見も聞き、多数の選択肢の中から、最後は自分で決めなくてはならないのである。自分の命は自分で守らなければ、他人任せにしてはいられないのである。
病気には治るものともう治らないものがある。治る病気や怪我は急性期の病院で治療してもらう必要があるが、高齢で体が枯れ木のように終わりを告げようとしている人に延命治療は百害あって一利なしである。皆さんは何でも大病院(ブランド病院)で治してくれると思ってはいませんか?
「病気になっても病人になるな」
現代は臓器ごとに病気を治療するので、多種類の薬服用による医原病や、1つの臓器の病気を治したらほかの臓器の病気になったりすることも多い。
臓器ごとにではなく身体全体・人間全体を看ることの出来るかかり付け医(できれば訪問してくれる緩和のプロとしての医師)を見つけておくことをお勧めします。
そうしなければ突然家族が亡くなった場合など、検死になってしまう可能性があり面倒である。判断に迷ったらまずかかり付け医に相談すること。それと普段かかっている病院の受診表をいつも持参していること。それなしに慌てて救急車などを呼ぶと、救急病院に入れられ適切な治療が受けられなくなる恐れがある。
高齢でもう回復が望めず、苦痛だけが残される場合には、病院での延命治療ではなく、住み慣れた自宅で信頼できる緩和ケアの出来る医者と看護士に看取られ、苦しまずに死ねるようにすること。この点に関しては、私が患者の家族の了解を得て、福井県で行われた日本在宅ホスピス協会で発表した原稿とビデオをイベント情報の中に掲載しているので、ぜひ見ていただきたい。危篤寸前の患者が家に帰った途端びっくりするほど生き生きと活動した姿が映っていますので是非ご覧ください。
そして不測の事態に備えるため、尊厳死宣言公正証書の作成(1万2千円程度)をお勧めします。尊厳死協会のリビングウィルは法的効力が薄く、また、家族が慌てて救急車を呼んだり、延命治療を依頼したりするとスパゲティ状態にされたり、脳死の状態のまま人工呼吸器をつけて生かされたり、悲惨なことになる場合があるので、要注意です。ただ作っただけでは駄目、きちんと家族、医療関係者、その他に配布し、何時配布したかメモをしておくことが必要です。
公正証書ですから国家にも原本が保存されますから、後々仮に訴訟になったとしてもそれがきっと役に立ってくれるでしょう。
日頃からの危機管理がその人の命を左右することを肝に銘じて、今からでも遅くはない、準備できることはして、家族に迷惑をかけないように、飛ぶ鳥跡を濁さず、人生の幕はきちんと自分で引きたいものである。

この世からあの世への道程!

11月14日から16日まで、日本在宅ホスピス協会の全国大会が福井県であり、私も東京から参加させていただき、介護体験の発表をさせていただきました。
その場で講演された長尾和宏医師(今まで大病院で終末期の患者さんに良かれと思って苦しめる治療をしてきたことへの懺悔から、訪問介護の医師になられた方で、非常に多数の著書をお出しになり、また講演活動にお忙しい先生です)に感動し、その著「病院でも家でも満足して大往生する101のコツ」という本を購入しました。大変素晴らしい本で、熟年の方にはぜひ読んでいただきたいと思い、その一部を引用させていただきました。

満足して大往生する101のコツ

満足して大往生する101のコツ

1、ピンピンコロリと旅立たれる方、そして交通事故で亡くる方は、たったの5%

2、それ以外の方は、人生後半において、大体以下の3通りのコースが待っていると言われます。

 

    1. ①→ 癌が進行して末期癌になって旅立つコース
    2.  このコースは直前まで割と元気に過ごしているのに、最後にガクッと急降下するのが特徴
    3.  癌は2人に1人
    4.  もし不幸にして末期がんになり、治癒が望めないときは、積極的な延命治療をやめ、苦痛の無い穏やかな最後を送るために、在宅での緩和医療にたけた医者と訪問看護師による看取りを薦める。
    5.  私は20年以上、末期がん患者を病院から自宅に引き取り、医者と看護士と家族とをつなぎ、最後まで看取るボランティアを続けてきた。その経験から、最後まで延命治療にすがるのは辞めたほうが良いと強く思う。
    1. ②→ 特定の機能の臓器の機能が働かなくなる「臓器不全症」で旅立つコース
    2.  このコースは「悪化→治療→回復」を繰り返しながら、だんだんと下がっていくのが特徴
    3.  このコースでは「いかにその専門病院と上手に付き合うか」が大事なカギになる。
    4.  但し残念ながらエンドレスに治療効果が続くことはない。
    5.  命には限りがあるのだから、何時か「治療のやめ時」は訪れる。
    6.  その時期を感じたら、やめ時を相談し、如何に残された人生を自分らしく生きられるかを真剣に考える必要がある。
    1. ③→ 認知症や老衰でゆっくりと旅立つコース
    2.  このコースは長い時間をかけて穏やかにじわじわと機能が落ちていくことが特徴
    1.  死はこの世とあの世の通過点。死に向かって行く過程がどれくらい穏やかで苦しまずにいられるかが問題である。
    2.  人は100%確実に死ぬのに、どうして自分の死に対して無関心で楽観的でいられるのだろうか?
    3.  どうも日本人は村の精神・農耕民族のせいか? 長いものに巻かれろ、偉い人にお任せ、という依存性と権威主義に陥っているのではないかと考えている。
    4.  健診も人間ドックも、結果に一喜一憂することなく、セルフケアの一環として上手に利用し、かかりつけ医に相談すること。防げる病気は早めに治癒しておくべきである。
    5.  又、ロコモティブ・シンドローム(運動器症候群)になると要介護・車いす・寝たきりの生活が待っている。そのためには転倒を防ぎ、歩くことで骨と筋肉を同時に鍛えること、毎日少しでもいいから日光浴をしながら歩くことである。
    6.  薬は少なければ少ないほど良い。
    7.  現代は臓器別の治療に陥っていることが多く、全体を看ている医者がいないため、薬の種類がどうしても多くなってしまう傾向がある。そのため薬同士の相互作用による副作用が倍増する恐れがあるので、かかりつけ医に一元化することが望ましい。
    8.  病気はその人の作品であると言われるように、生活習慣病を自分で治す「セルフケア(自己管理)」をすべきである。病気の9割は放置しても自然治癒力で治ると言われている。
    9.  悪くするだけして、さあ「医者だから治せ」はないだろう。長く付き合える近くの主治医を探し、一生を通して看てもらうのが最善の方法である。